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J.Bunnak*; 瀧上 眞知子*; 伊藤 均; 篠沢 隆雄*
Journal of Radiation Research, 35, p.205 - 212, 1994/00
被引用回数:10 パーセンタイル:46.7(Biology)人由来の癌細胞を用いて5~30Gyのガンマ線照射効果について検討した。ここでは細胞内のミトコンドリアの活性を測定するMTT法を用いて照射後の活性変化を測定し、顕微鏡観察による細胞数との比較を行った。この結果、5Gyまでは細胞分裂能が認められたが、10~30Gyでは細胞分裂能は失われた。一方、MTT法による活性は照射によってもほとんど変化せず、見かけ上細胞分裂が継続しているような結果が得られた。照射した細胞を顕微鏡で観察すると10Gy以上では細胞分裂能は失われているが、細胞の著しい肥大化が認められ、ミトコンドリア数の増加も観察された。このことはミトコンドリア増殖能は30Gy照射によっても影響を受けないことを示しており、ミトコンドリアが有するDNA量が小さいことから当然と思われる。また、本研究の結果はMTT法を照射細胞の生存率測定に用いるのは適当でないことを示してる。
嘉成 由紀子; 神長 輝一; 成田 あゆみ; 宇佐美 徳子*; 鈴木 啓司*; 横谷 明徳
no journal, ,
本研究では、細胞内のエネルギー分子(ATP)生産を担うミトコンドリアの活性が、放射線照射によりどのように影響を受けるかを明らかにすることを目的とした。ヒト正常細胞(BJ1-hTERT)に対して、高エネルギー加速器研究機構フォトンファトリーから得られるX線マイクロビームを照射した後に継時観察し、細胞核のみ・細胞質のみに照射した場合を比較した。細胞は、観察の直前にミトコンドリアを特異的に標識するJC-1試薬で染色した。この試薬はミトコンドリアの膜電位が高いと赤色蛍光のドットとして観測され、また低いと緑色蛍光が観測される特徴がある。その結果、細胞核照射群は細胞質照射群よりも細胞あたりのJC-1赤色発光のドット数が、照射後12時間程度まで優位に増加することが明らかになった。核内で損傷したDNAの修復にATPが用いられるために、活性が亢進したと推測される。
嘉成 由紀子; 神長 輝一; 坂本 由佳; 成田 あゆみ; 野口 実穂; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*; 鈴木 啓司*; 横谷 明徳; 藤井 健太郎
no journal, ,
ミトコンドリアは独自のDNAを持ち、生体内エネルギー分子であるATPの生産を担うため、細胞に欠かせない重要な器官である。我々は、細胞の部分照射によるミトコンドリアへの放射線影響を明らかにすることを目的とした。細胞中の特定部位に対する部分照射を行うため、放射光X線マイクロビームを利用した。ヒト線維芽細胞(BJ1 hTERT Fucci)に対し、細胞核照射、細胞質照射及び細胞全体照射の3パターンで照射をし、ミトコンドリアを経時観察した。ミトコンドリアは膜電位に依存して蛍光発色が緑と赤を示すJC-1試薬を用いた。その結果、赤色蛍光で確認される高膜電位のミトコンドリアの面積は、どの照射パターンでも照射直後に大きな値を示し、その後は減少した。細胞核照射では6時間後、細胞質照射では12時間後、細胞全体照射では2時間後まで減少し、その後は増加を示した。細胞質照射後24時間での面積は他の2つの照射パターンと比較し、優位な増加が見られた。以上の結果から、照射部位に依存してミトコンドリアの膜電位の影響が異なる可能性が定性的に示唆された。